ボケ度テスト 14点以上なら専門外来へ!


「人の名前が思い出せなくなった」「メモしないと約束をすぐ忘れてしまう」などの体験を何度かすると、“自分はボケ始めたのではないか”と不安になる。
「ボケ」と「単なるもの忘れ」とは違うというが、ボケが始まっているかどうかを簡単にチェックできるテストがある。
「大友式ボケ予測テスト」で、作成したのは浴風会病院の大友英一院長だ。
「このテストは、ボケの始まりやボケに進展する可能性のある状態を、自分で簡単に予測できるようにと考案したものです」

(大友式ボケ予測テスト)
(1)同じ話を無意識に繰り返す
(2)知っている人の名前が思い出せない
(3)もののしまい場所を忘れる
(4)漢字を忘れる
(5)今、しようとしていたことを忘れる
(6)器具の説明書を読むのを面倒がる
(7)理由もないのに気がふさぐ
(8)身だしなみに無関心である
(9)外出をおっくうがる
(10)もの(財布など)が見当たらないことを他人のせいにする
★「ほとんどない」は0点、「たまにある」は1点、「頻繁にある」は2点

 10項目について、「ほとんどない」なら0点、「たまにある」は1点、「頻繁にある」は2点をつける。その合計が0〜8点なら「正常」で、もの忘れも老化現象の範囲内。9〜13点は「要注意」だ。数カ月ごとに再チェック、生活にボケ予防策を取り入れよう。14〜20点になると「要診断」。ボケの初期症状が出ている可能性があるから、痴呆専門外来受診の必要ありだ。
 それぞれの項目について、浴風会病院精神科・須貝佑一診療部長の説明はこうだ。
(1)気になることを繰り返し言うのは誰にでもあることだが、相手に「またその話」と指摘されて初めて気づくようならボケの兆候が疑われる。
(2)50代ともなれば人の名前がとっさに出てこないという経験はだれもがする。しかし家族や親しい人など、日常かかわりの深い人の名前が出てこないときは要注意だ。
(3)たまにしか使わないものの場所を忘れるのは無理もないが、日常よく使い決まった場所にしまっているのに、その場所を思い出せないのは問題だ。
(4)パソコン愛用者が漢字が思い出せないという現象はよくある。しかし日常よく目にする文字や家族の名前など、知っていて当然の名前を忘れたらボケの始まりの疑いがある。
(5)次々と用事に追われていて疲れ気味というならわかるが、そうでないのについさっきやろうとしたことを忘れるのは、新しいことをインプットする記憶力の低下だ。
(6)老年者がわかりにくいIT機器の説明書を敬遠するのは当然だが、家電の説明書や薬の処方箋など比較的簡単なマニュアルまで敬遠するようになったら、思考力の低下が疑われる。
(7)周囲のできごとに興味を失い言葉数が減り感情表現が乏しくなるなど、ボケの初期にうつ状態になることがある。
(8)朝の着がえをおっくうがったり、TPOを無視した無神経な服装をするのは要注意だ。
(9)着がえが面倒、人と会いたくない、交通機関の使い方がわからないなどの理由で外出をおっくうがるのは問題だ。
(10)老年期になると心身の衰弱による失敗を他人のせいにしがちだが、信頼関係のある家族を自分に対する加害者と思い込むのは典型的なボケ症状だ。
「(1)〜(6)は正常な人にもよくあるが、(7)〜(10)に点数がつく人はややボケ気味といえます。14〜20点の“要診断”の人の中には、最近注目されている軽度認知障害が含まれています。これは正常範囲の老化とボケの初期の中間にあるものと考えられていて、この時点で脳循環改善薬や脳代謝改善薬、アリセプトなどで治療をすれば、ボケへの移行にブレーキをかけることが可能です。また9〜13点の“要注意”の人は筆まめにする、野菜、果物、魚を多くとるなどして、ボケ予防対策を日常生活に積極的に取り入れましょう」(大友院長)

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