おしっこのうんちく

「最近おしっこの回数が増えた」「尿もれがする」「おしっこが泡立つ」――。人知れずおしっこの悩みを抱えている中高年は多い。
 何が原因で、どうすれば解決するのか? 東邦大学医療センター大森病院泌尿器科の中島耕一氏に聞いた。

●上司の顔を見ると、 トイレに行きたくなって困っている
 家ではまったく平気で、夜もぐっすり眠れるのなら、心因性の頻尿でしょう。膀胱は自律神経の影響を受けているので、精神的なストレスに反応して膀胱が収縮、尿意をもよおすことがあります。実はこうした心因性の頻尿は若い人を中心に激増していて、夜尿症も加わり、転職に追い込まれるケースもあります。
 対策は、ストレスの原因を取り除くこと。ただし、その原因をハッキリ自覚してない人も多いので、「いつ」「どこで」「どのくらいの量」のおしっこをしたかを「排尿日誌」につけることをお勧めします。そのうえでカウンセリングなどを受ければ改善も可能です。

●いきまないと尿が出にくく、出てもダラダラと勢いがなく、途中で止まることも。残尿感もある
 前立腺肥大症でしょう。この病気は男性ホルモンのバランスが崩れる50歳過ぎから始まり、放置していると、腎臓の機能が低下して、腎不全になることもあります。そうなると尿道から細いカテーテルを入れて尿を出す「導尿」をするしかありません。そこまでいかない場合は、尿道の緊張をほぐすα―ブロッカーと呼ばれる薬か抗男性ホルモン剤、あるいは漢方薬を投与します。

●トイレを少しはがまんできるのですが、 パンツを下ろす前にもらしてしまう
 切迫性失禁です。トイレが近い人のなかには、早めにおしっこに行くよう心がけているため膀胱が小さくなり、おしっこがたまりにくくなっている場合があります。少しがまんすれば、膀胱が伸びておしっこの間隔がのびますし、肛門を閉じたり締めたりしてペニスの下にある骨盤底筋を鍛えると、おしっこをコントロールできるようになります。ただ、中高年の場合は病気の可能性があります。例えば(1)大脳の排尿中枢障害(2)前立腺肥大症による下部尿路の障害(3)膀胱炎や前立腺炎などで尿路が刺激されるなどです。気になる人は病院に行くべきです。

●尿が泡立つようになりノドが渇き脚もむくむ
 尿の泡立ちは、糖尿などで尿の粘着度が高くなって起こるなどといわれますが、あまりアテにはなりません。むしろ問題なのは脚がむくむこと。腎不全の可能性があります。ノドが渇くことと併せると糖尿病の可能性が高い。すぐに検査をすべきでしょう。

●最近、 おしっこが濃い茶色になって気になる
 正常な尿の色は無色透明か黄色で、水分を取り過ぎれば透明になるし、汗をたくさんかけば濃くなります。1〜2回おしっこの色が濃い茶色というだけなら問題ないでしょう。ただ、長期間ビールのように濃い茶色が続くようなら、急性肝炎の可能性があります。また、白っぽい尿は膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症、痛みを伴わない血尿は膀胱などのがんの可能性があります。

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