C型肝炎の治癒率が飛躍的に向上


 健康診断や人間ドックでC型肝炎と診断された人も少なくないだろうが、肝臓がんの75%がC型肝炎から発症するとされているから怖い。C型慢性肝炎→肝硬変→肝臓がんという経過をたどるのだ。
 これといった症状もなく進行することからサイレントキラーとも呼ばれるC型慢性肝炎だが、注目を集めている治療法がある。どんな治療で、どれくらい成果を上げているのか。武蔵野赤十字病院消化器科の泉並木部長に聞いた。
 その治療とは、「ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法」だ。
「ペグインターフェロンは従来のインターフェロンより作用時間が長くて治療効果も大きい。そのため、従来のインターフェロンは1週間に3回、もしくは毎日注射する必要がありましたが、ペグインターフェロンは週1回の注射ですみます。投与回数が少ないので、発熱、頭痛、吐き気などの副作用も軽くてすみます。リバビリンは飲み薬の抗ウイルス薬で、単独ではC型肝炎に効きませんが、インターフェロンと一緒に使うと効果が高まることがわかったのです」
 C型肝炎ウイルスには型があって、I型が7割、II型が3割を占める。週1回のペグインターフェロンと毎日2回のリバビリンの服用を、I型なら1年間、II型なら半年間続けるのが併用療法の原則だ。最初の2週間は入院して治療を受け、その後は通院治療となる。
「I型でウイルス量の多い患者さんの場合、従来のインターフェロン療法だとウイルスが消えて治る確率は2〜5%でしたが、この併用療法で50%が治るようになりました。またII型の場合、従来のインターフェロン療法で治る確率は60%でしたが、この併用療法で85%が治るようになりました。C型慢性肝炎が進んで肝硬変に近くなると効きが悪くなるので、慢性肝炎の早めの段階で治療を受けるのがベストでしょう」

 Kさん(56歳)は5年前に別の病院で従来のインターフェロン療法を半年間やった。治療中はウイルスが消えて喜んでいたが、治療が終わって2カ月後にまたウイルスが出てきた。治りたい一心で泉部長に受診。1年間併用療法を受け、それからさらに半年後の現在もウイルスは出ていない。治ったので少量の酒も飲めるようになったと喜んでいる。
 Tさん(52歳)はC型肝炎から肝臓がんになった。幸い早期発見で、ラジオ波焼灼術で2.5センチのがんを消すことができた。しかしがんは治ってもウイルスは残っている。こういう場合、1年の間に2割の人に肝臓がんが再発するとされている。そこで1年間の併用療法を受けてウイルスを消した。以後、9カ月が経過しているが、肝臓がんの再発はない。
 以上のように、C型肝炎の治療はめざましく進歩している。しかしC型肝炎患者は200万人いるのに、治療を受けているのは20万人とされている。併用療法を受けているのは約4万人だ。
「これまで、インターフェロンの治療は副作用が強いし、なかなか治らないということで受けない人が多かったのですが、この併用療法の出現で効果が大きく副作用も少ない治療を受けることができるようになりました。C型慢性肝炎の人は専門医に相談して治療を受けてもらいたいですね」
 この併用療法は2004年12月から健康保険が適用されるようになった。

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